イベント開催レポート「“遊びながら、そなえる”と大切な人たちとの絆が深まる。」

ASOBISAI CAMP

1. ASOBISAI CAMP 2021開幕!

「遊びながら、そなえよう」をコンセプトとしたキャンプ×防災イベントを9月25日(土)、26日(日)にCAPTAIN STAG🄬八木ヶ鼻オートキャンプ場で開催しました。イベントタイトルの【ASOBISAI CAMP】には【遊び】と【備災】を掛け合わせ、普段の生活や趣味のアウトドアが「いざ」の備えとなるようなきっかけづくりを行う目的で今年初めて企画しました。

 イベントは2日間で10組27名が参加。三条市をはじめ、村上市から上越市まで県内各地から集まってくださいました。家族連れやご夫婦、友人同士の参加と様々な世代の方から興味を持っていただけたのが印象的です。今回の開催レポートでは「行きたかったけど行けなかった!」方のために、当日の様子や参加者からの感想をお伝えしていこうと思います。

2. イベント情報

では、実際にどんなことをやったのかをご紹介していきます!各回3時間で以下の内容を実施しました。

①タープでベースづくり
 まずは自然の中に私たちがキャンプを楽しむための拠点(ベース)をつくりましょう。タープを張ったらいよいよキャンプの始まりです。

②かんたんキャンプごはん
 外で作って食べるごはんは格別のおいしさ!今回は備蓄品や保存食を使ったおいしい簡単料理にチャレンジします。ローリングストックの活用にも役立ちます。

③アウトドア&備災グッズを試してみよう
 便利でコンパクトなキャンプ用品やテレビで見たけど使ったことのない備災便利グッズを試してみましょう。「携帯浄水器を使うとどんな水の味になるの?」「アルミシートってどのくらいあったかい?」などなど、気になるグッズを試せるチャンスです!

④キャンプといえば焚き火でしょ!
 簡単なものからちょっと手間のかかるものまで、様々な火起こしの方法にチャレンジします。火を囲んで家族や仲間と語ったり、自然の中でゆったりとした時間を過ごしましょう。

 キャンプならではの楽しさを体験してもらいながら、要所要所に防災と備災の要素を織り込んだ盛りだくさんな内容となりました。

3. 当日の様子

企画スタッフもドキドキの中、タープ張りからスタート。

 制限時間は3時間。その中でたくさんの体験をしてもらうため、タープを広げて張る準備は事前に済ませておきました。

 目の前でデモンストレーションを行いながら、ロープの配置やポール立て、自在金具を使ってテンションをかける(ロープの張りを出す)などを順番に参加者のみなさんにやってもらいました。

▶声をかけながら協力してタープを張ります。

 実はこのタープ張り、タープ自体の向きやロープの調整などが意外と難しく、キャンプビギナーの方が苦戦しやすいパートなんです。「時間がかかってしまうかも・・・」と考えていたスタッフの予想を裏切り、すべてのグループが時間内にタープを張ることができました!

▶小さなキャンパーも頑張ります!

 次はお待ちかねの「かんたんキャンプごはん」パートです。今回はツーバーナーコンロを使って、「缶詰炊き込みご飯」「ポリ袋de肉じゃが」の2品を作りました。

 缶詰はおいしいうえに備蓄品としても活躍しますよね。鯖缶と流行りのメスティンを使ってごはんを炊いてもらいました。初めて使うバーナーの火加減に苦戦しながらも、ドキドキで炊きあがりを待ちます。

▶炊きあがったご飯をシェラカップによそっていただきます!

 また、2品目の肉じゃがは「材料と調味料をポリ袋に入れて湯煎するだけ」
手間もゴミも減らせる調理法に挑戦!この方法でお米も炊けるので、災害時にも役立つ手法のひとつです。

▶味をなじませるため、湯煎前によく揉みこむのがポイント。

 おなかが満たされたあとは「アウトドア&備災グッズのお試し」パート。市販の防災セットの中身とキャンプグッズにはどんな共通点があるかを確認していきました。防災と言っても「何から始めていいかわからない」と身構えて、結局何もやらずにいる・・・。そんな方は「水」「食」「熱」「暖」の4つのテーマを中心に日頃の備えをしていくことが大切です。

 特に水は飲食だけでなく、身体の衛生状態を保つのにも必要です。イベントでは携帯浄水器でろ過した水を試飲してもらいました。水タンクや携帯用の給水バッグは持っておいて損はないでしょう!また、長期保存水のストックも大切ですね。

 そのほかにはアルミシートの体験やアルファ米の試食などを行いました。「知ってるけど、使ったことはない」から「知っているし、使ったこともある」に変えられたのではないでしょうか。

▶「アルミシートはどう?」「あったかいよ」

 最後は楽しみにしていた方も多い「火起こし&焚き火」パートです。まずはスタッフがお手本を見せます。最初はナイフ1本で薪を細くするバトニングを行いました。大人も子どもも無心で木に向き合っていたのが印象的です。

▶薪割り初挑戦!

 次に、擦って火花を発生させるキャンプグッズ「ファイヤースターター」を使って火起こしに挑戦です。着火しやすいティッシュや乾燥した藁に火花を引火させて火を起こします。これが結構難しい!!ちょっとしたコツと根気がいる作業です。

▶さあ、火は起こせるのか?!

 土曜日は1組、日曜日はすべての組がファイヤースターターでの火起こしに成功!気候によって火がつきづらい場合もあるので、無理せずマッチやチャッカマンなど文明の利器を使うことも大切ですね(笑)

 火がついたら小枝や細い薪から順番に組んで焚き火をします。火を囲みながら焼きマシュマロをしたり、イベントを振り返ったりと思い思いの時間を楽しみました。

 最後にチェキでグループ写真を撮影してプレゼント。記念の意味もありますが、防災の観点から「家族や友人の写真があると安否確認がスムーズにできる」メリットがあります。思い出と一緒に定期的に大切な人と写真を撮ることをおすすめしました。

▶火を囲みながら大切な人との時間を過ごす。

4. 参加者の感想

 参加者のみなさんからは「楽しかった!」と感想をいただき、スタッフ一同とても嬉しく思いました。参加者の感想をいくつかご紹介したいと思います。

『スタッフの皆さんが、とても明るく、元気をもらえました。コロナ禍で、参加を迷いましたが、安心して参加できました。』

『全て1から準備するのは大変だけれど、至れり尽くせりのイベントは楽しかったです。参加費以上の価値がありました。家に帰って防災袋の中身も点検し直しました。』

『火起こしと防災を学びに行ったつもりが、キャンプの世界に魅了させられました。楽しかったです。 ありがとうございました。』

『ウエストで、早速、焚き火に必要なものを購入しました。楽しみです♪』 『3時間だと少々駆け足になってしまったように思います。ぜひ次は1日や1泊2日をかけて、じっくり体験できたらいいなと思います。』

 また、『自分で起こした火で調理してみたい』『タープの張り方は準備から片付けまでやってみたかった。洗い物の出ない調理法が知りたい』など、次はこんなことをやってみたいとお声もいただけました!みなさんの声をひとつひとつ噛みしめながら、今後に生かしたいと思います。

5. イベントを終えて思うこと

 「きっかけはささいなことでも、始めることが大事」を学ぶ企画でした。 個人的に「災害に対して何も対策できていないけど、まずいよな・・・」と思い、「どうやったら自分のような思いの人が防災対策を始められるか」を考えたことからこの企画は始まりました。最初は完全に個人的な思いから出発したものではありましたが、共感してくれるメンバーが集まり、協力してくださるキャンプ場・企業様がいて、多くの参加者のみなさんがイベントに来てくださいました。こうして小さな思いを形にできたこと、それによって小さな思いが様々な方向に広がっていったことが嬉しいと同時にすごいことだなと思いました。

▶ASOBISAI CAMPメンバー

 ハードルを感じる、難しいなと思うことこそたくさんの人を巻き込みながら挑戦してみる。今回はそれが自分だけでなく、関係してくださったみなさんにも価値あるものとして伝わっていったのではないかと思います。ただ、これで終わりではありません。せっかく「始めた」のですから、これからも一緒に遊びながら、そなえていきましょう!

 最後になりますが、今回のイベント開催にあたりCAPTAIN STAG🄬八木ヶ鼻オートキャンプ場さま、キャプテンスタッグ株式会社さまから多くのご協力をいただきました。ありがとうございました。

〈2021/10/3 文責 井上佳純〉

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