CAPTAIN STAG®特別インタビュー Vol.03

ASOBISAI CAMP

第三回「楽しいことから始めてみる ~キャンプと防災と大切なもの~」

NPOソーシャルファームさんじょうが今年9月に「ASOBISAI CAMP 2021」というイベントを開催するにあたり、三条市に本社を置くキャプテンスタッグ株式会社様から協賛をいただくことになりました。本イベントは「遊びながら、そなえよう」をコンセプトに、キャンプや日常を楽しみ、それを続けていくことで災害に備えることを目指した企画です。

第3弾はASOBISAI CAMP企画者がイベントを開催するに至った経緯や防災に取り組もうと思ったきっかけなど企画に対する熱い想いを語ります。

井上 佳純(いのうえ かすみ)

NPOソーシャルファームさんじょう所属
2019年1月より三条市地域おこし協力隊として着任。現在は教育分野にて子ども向けイベントの企画運営や学校連携に取り組む。ASOBISAI CAMPの企画立案者。

篠宮 諒(しのみや あき)

NPOソーシャルファームさんじょう所属
2021年6月より三条市地域おこし協力隊として着任。下田の自然を活かしたイベントを企画していけるよう日々勉強中。今回のインタビュアーを務める。

Q1, まず井上さんの現在のお仕事について簡単に教えてください。

井上:2019年の1月に 三条市地域おこし協力隊の下田チームに着任しまして、現在3年目になります。
最初はSANJO BEATERSというバスケットボールチームの立ち上げと運営を1年間やりました。
選手のリクルートやチーム名を決めるところから関わらせてもらって。
1年目はバスケット関連の仕事をやってたんですが、もともと志望動機が教育分野で活動したいというのがあったので、2・3年目は子ども向けイベントの企画運営や学校との連携に取り組んでいます。

Q2, 今回のイベントの概要を教えてください。

井上:今回ASOBISAI CAMPというキャンプと防災をかけ合わせたイベントを行おうと思っています。
開催は今年の9月25・26日を予定していて、目的はキャンプの楽しさを感じてもらいつつも、「その楽しいキャンプを続けることが実は災害の時の備えにつながるんだよ」というきっかけづくりをすることです。
詳しい内容は今絶賛企画中なんですが、主に火起こしやキャンプ飯を食べるなどキャンプの基本的な要素を大きく出していけたらいいかなと思っています。

Q3, 今回キャンプと防災をかけ合わせたイベントを開催することになったきっかけは何でしょうか?

井上:きっかけは、今年が東日本大震災から10年が経過したというタイミング、ここ三条市だと17年前の7.13水害、10年前の7.29水害があったりして、身近に災害が起きることがちょっと遠のいているタイミングなのかなと思ったことです。

振り返ってみると10年前、私自身は学生だったけど、今はもう社会人で立場も変わっていて。同級生の中には家族を持っている子もいるという環境の変化がある中で、〈災害に対しての備えって何も変わってないな〉っていう自分自身に気づきました。〈それじゃまずいよな〉と思いつつもなかなか踏み出せない。何かきっかけがないとっていうところで。

今住んでいる下田はアウトドアレジャーが楽しめる地域なので、そこと組み合わせて災害に備えるきっかけづくりができたらいいなっていうのは1つあります。

篠宮:おっしゃるとおりですよね。10年経って自分の防災の意識って変わったかって言われると確かに変わってないですね 。

井上:なんですかね。これだけ毎年のように地震以外にも水害などが色々起きる中で、どこか他人事に思っているのか、〈自分は大丈夫〉っていう意識があまり準備に向かわせないのかなと。

篠宮:まず防災グッズでさえ全然買おうと思えてないですね…。

井上:そうそう、そうなんですよ。そこもちょっと打破したいなっていうのはあります。もう1つの理由としては地元新潟へのUターンがきっかけです。 Uターンを選んだ理由は〈家族とか友人とか大切な人たちの近くで1回働いてみたいなあ〉と思ったからです。前職のベトナムでの経験が大きいですね。

篠宮:ええ、すごいですね。

井上:住んでみて分かったんですけど、ベトナムは家族とか友人をものすごく大切にする文化で。仕事よりも何よりもそういう人たちとの関わり、絆を大事にしていて、すごくそれが羨ましいなと感じました。

自分も〈大切だな〉って思ってはいるけど、行動できてるかな、表現できてるかなっていうと思っているだけだっていうのに気づいて。

そこで災害の話になってくるんですけど、そうした非常時に大切な人たちを守れるのかなって思った時に、〈いや、守れないな〉と。それどころか〈自分の命まで危ういな〉と思ったのも1つの理由ですね。今やらなきゃと思ったのはそれが大きいかもしれないですね。

篠宮:大きいですね、それはすごく。

Q4, ASOBISAI CAMPのコンセプトを教えてください。

井上:コンセプトはタイトルそのままです。ASOBISAIっていう造語を作りまして、これは「遊び」と「備災」という言葉を組み合わせて作っています。「備災」って聞いたことあります?

篠宮:ないんです。なんだろうなってさっきから思ってたんですよ。

井上:そうですよね。私もこれを企画する中で調べていて、新たに発見しました。災いを防ぐって書いて「防災」という言葉があるじゃないですか。災いに備えるって書いて「備災」っていう言葉もあるらしくて。 確かに「防ぐ」って結構難しそうなイメージがありませんか。それこそ防波堤を作るとか、避難施設を整えるとかっていうハード面のところも入ってくると思うんですよ。

ただ「備災」だったら自分ができることをやる、備えるっていうイメージがあるのかなと思って。それだったら今回の企画にはそっちの言葉のほうがふさわしいかもしれない。そこで、「遊びながら、そなえよう」っていうコンセプトをそのまま表したのがASOBISAIです。

篠宮:防災だと大きなものに感じるけどまずは身近なものから。さっきの〈家族を大切にしたい〉と思う気持ちにもつながっていくような気がします。言葉が備災にぴったりですね。

井上:ここにたどり着くまでは本当に大変だったんですよ!
キャッチーでありつつも、こちらの意図していることを含めるって難しいなって。うんうん唸りながら。危うく「Hop Step Camp」になるところでしたから(笑)

篠宮:それはちょっとキャンプ感強い(笑)

井上:ですよね。「Hop Step Camp」が暫定1位でした。それもいいんですけどね。

篠宮:ASOBISAI はすごくかっこよさもありますよね。

井上:そうなんですよ。

篠宮:なんか勝手にアーティストのYOASOBI感が今の時代に合っていてかっこいいなと思いました(笑)

井上:合ってますか!ぜひ若い人にそういう意識を持ってもらいたいというのもあるので、かっこよさという部分も考えました。

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